3Shape TRIOSが単なる口腔内スキャナーでないことを説明します
当初、デジタル歯科といえばCAD/CAMのことだと思っていました。CAD/CAMアプリケーションは通常、歯科用修復物や歯科補綴物の製作に使用します。既存の変形している歯や審美性に欠ける歯、欠損した歯などを修復物で補う必要があるといった場合などです。
この10年間、歯科医師や業界はCAD/CAMについてこのように考えていたのです。しかし、3Shapeと私は、製作とは関係のないコミュニケーションツール、デモンストレーションツール、そしてアプリケーションとしてのスキャン技術に、はるかに大きな可能性があることに気づきました。
私が歯科医師にアドバイスしているのは、デジタル印象の活用です
エドモントンのアルバータ大学で継続教育に携わっていたころ、デジタルについて学部長と話をしたことがあります。学長が、「プロホッケー選手である義理の息子のスキャン画像があればいいのにと思う」と言うのです。
彼は大掛かりな口腔外科手術が必要なほどの大けがを負っていました。上顎骨が折れていたので、位置を変えてワイヤーで閉じなければなりませんでした。
「口腔外科医が可動式セグメントを使用してワイヤーで咬合を調整する際に、咬合記録があれば非常に役立つだろう」と学長が言った時に、私はハッとしました。
口腔内スキャンは、患者さんの記録の一部になります
みなさんはスキャンデータを患者さん全員のベースラインにするという可能性を想像できないかもしれません。患者さんに、経過観察が必要な何らかの症状があること、または症状がないことを伝えたり、後になって症状が出た場合に備えてベースラインを作成しておきたいと考えるなら、スキャンデータを記録しておいてください。歯が損傷した患者さんなら、ベースラインと比較できます。
たとえば、日曜日に自転車事故に遭った患者さんから「自転車で転んで前歯を2本折りました」と電話がかかってきたとしましょう。
患者さんの2本の前歯の解剖学的構造を再現しようと思いますか。その代わりに、5年前に記録したスキャンを見れば、事故前の歯の形や色が正確に確認できます。以前は、高校の卒業アルバムに載っているような写真を見せてもらっていました。それでは意味がありません。
さらに、口腔内スキャンはただの高速のビデオですから、放射線被ばくもありません。デメリットもなく、コストもかかりません。
コスト面以外にも、デジタル歯科印象には多くのメリットがあります
デジタルは非常に大きな機会があると私は強く信じています。資料やカルテの作成にスキャン技術を活用すべきだと思っています。たとえば、専門医に「この患者さんを見てください。どう処置をすればいいでしょうか」と尋ねるときに、患者さんの状態をリアルタイムで伝えることができます。
虫歯やひび割れ、クラウンなどの簡単なものから、高度な審美性にまで利用できます。