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デンタルデザインソフトウェアのディープダイブ:インプラントブリッジのワークフロー

Andrew Singer

歯科ライター

3Shape

2008年のリリース以降、世界中の何千もの技工所で使用されている歯科用CAD CAMソフトウェアになりました。 ここ数年で、かなりの改善が行われてきました。

この記事では、3Shape Dental Systemの主要なワークフローの1つであるインプラントブリッジのワークフローについて説明します。 開発者がソフトウェアの開発に尽力している一方で、アップデートについて多くの技工士に協力をいただき変更を重ねてきました。

Dental Systemのワークフローの1つに、インプラントブリッジの設計があります。難易度の高い設計となるるインプラントブリッジには、技工所とメーカーの双方にとって、数多くの検討すべき課題があります。

「インプラントブリッジはケアや検討する部分が多い。 形状的に、非常に難しい設計作業になります。 と、 Dental SystemプロダクトマネージャーのRafael Galiakberow氏は言います。

彼が、Dental Systemの新機能について理解を深めるために協力してくれました。

インプラントブリッジ設計ワークフローの詳細

デザインワークフローがアナトミーのステップから始まるようになったことが最初の重要な変更点でした。 以前はエマージェンシープロファイルのステップがワークフローの途中にありましたが、現在では最後のステップへ移動しています。

インプラントブリッジのワークフローでは、エマージェンスプロファイルのステップの前に、アナトミーのステップを完成させます。

これらは、技工士のアドバイスに基づいて変更されました。 インプラントブリッジのワークフローは、現在では義歯の設計フローにとても近いものとなっています。 義歯のワークフローのように、レイヤーアプローチが使用できます。 これによって、個別の補綴設計を行ってから、、すべてを組み合わせることができます。

つまり、ワークフローの最初のステップでは、アーチ内のクラウン設計を完成させます。 その後、接続部や歯肉を設計し、ブリッジを一体化することができます。 ワークフローの最後に、すべてのエマージェンスプロファイルをまとめて設計します。 つまり、アナトミーと歯肉が組み合わされてから、最後にエマージェンスプロファイルに接続されます。

複数の層からなるパイのようなイメージです。

Rafael Galiakberow氏: 「ワークフローをパイ作りに例えてみます。 最上層は歯です。 2層目は歯肉(必要に応じて)、最後の層はアバットメントとエマージェンスプロファイルといった具合になります。 すべてはつながっていて、予測可能になっています。」

インプラントブリッジのワークフローに加えられたその他の重要な変更点には、設計プロセスのすべてのステップで彫刻ツールが利用可能になったことや、フェイシャルスキャンなどの追加スキャンをインポートできるようにした点です。

3Shapeは、歯科設計ソフトウェアのさまざまなワークフローの調整に取り組んできました。単冠のクラウンであろうと、フルマウスのインプラント・ブリッジであろうと、技工士が同じ手順を踏み、同じツールを使用できるようにすることで、ブリッジやインプラント・ブリッジのような複雑な作業にもスムーズに切り替えられるようにしたいと考えています。

「私たちのワークフローはすべて、従来のワークフローを踏襲していますが、重要な部分では個別に最適化をしています。 その違いがワークフローをより速く、予測可能性を高め、より簡単なものにします。」
と、プロダクトマネージャーのRafael Galiakberowが説明しています。

ここ数年の3Shapeインプラントブリッジのワークフローの変更により、技工士に5~6時間かかっていた従来のワークフローが、3Shape Dental Systemでは60~90分に短縮されました。

インプラントブリッジワークフローの5つの大きな改良点

1. スマイルコンポーザーのステップでは、歯がインプラントに接続されなくなりま–した。これにより、歯のアーチをより簡単に設定することができ、最初の操作で接続されたチューブやエマージェンスプロファイル、または個々のクラウン上の位置決めについて心配する必要がなくなります。 これにより、修復物と埋入されたインプラントの取り扱いが非常に簡単になります。

2. 歯肉設計の第2ステップ。歯がエマージェンスプロファイルに接続されなくなったため、義歯の設計ワークフローから歯肉モジュールを追加しました。 これにより、インプラントブリッジの審美的な歯肉デザインが可能となり、時間を節約することにつながります。

事前設定された歯肉デザインは、選択したパラメータに合わせて調整可能で、デザイン編集は彫刻ツールを使って行うことができます。

3. ブリッジをカスタマイズしてセカンドレイヤーの準備を行います。 - 旧バージョンのデンタルシステムで導入された機能で、例えば、トップキャップを作成し、歯のアナトミーに合わせて調整することができます。 また、アナトミカルトップキャップのオプションをオフにすると、標準のアバットメントに似た形状になります。 カットバックオプションも選択可能です。

これにより、シングルアバットメントのようなアナトミカルカットバックのアバットメントが実現し、インプラントブリッジのタイプに応じてデザインを簡単に調整することができます。

4. 最終調整を行い、エマージェンスプロファイルと接続します。 - 前述したように、このステップはワークフローの最後に移動され、インプラントの開口部を維持し、前のステップで調整しないようになりました。 これによりワークフローが大幅に簡素化されます。すでに結合されているブリッジにエマージェンスプロファイルを接続することで、多くの中間処理を取り除くことができます。

すべてのエマージェンスプロファイルが一つのステップに集約されることで、設計の全体像を把握し、最適な接続を選択することができます。

5. ブリッジの舌側と口蓋側にアクセスホールを作成します。 - デザインが確定したら、アップデートされたアクセスホール機能により、ブリッジの舌側または口蓋側に開口部を設けることができ、より審美的な仕上がりになります。

印象採得に対応した修復物の作製

ワークフローが刷新されたことでDental Systemによるインプラントブリッジの設計がより簡単かつ迅速になっただけでなく、スムーズに動作するソフトウェアはが技工士が直面する可能性のあるその他の課題を特定するのにも役立ちました。

特に興味深い発見のひとつは、技工士が設計時に経験するエラーの多くが、デジタル印象のスキャンファイルにまで遡ることがあるということです。

技工士は、設計ワークフローの途中で突然エラーメッセージが表示されたり、ソフトウェアがクラッシュしたりすることがあります。 その上、多くの人がこれをソフトウェアのバグだと勘違いすることがあります。 しかし、エラー原因のほとんどが入力データによるものです。

Dental Systemでは、受信したスキャンをより適切に管理し、整備することができます。

Rafael Galiakberow:「TRIOSや3Shapeラボスキャナーのスキャンでは問題は少ないのですが、それらのスキャナーでも、スキャン手順が最適でないために問題が生じることがあります。他社製のスキャナーの場合、特に口腔内スキャンでは、ジオメトリーのエラーが原因となることが多いです 良い品質の設計には、ワークフローの出発点で良いスキャンを行う必要があります。

今後のデDental Systemソフトウェアのリリースにおいて、これらの課題を解決するためのスキャンデータの整備・調整機能は、開発チームが大きな関心を寄せているポイントです。(特に他社製のスキャンデータ)

スキャン修復ツールとインプラントライブラリ

3Shapeは最新のDental Systemソフトウェアにスキャンデータの調整に役立つツールをいくつか追加しましたが、その問題の多くはクリニック側でスキャン品質をチェックすることで、回避できる可能性が高いことが分かりました。スキャンのエラーは見つけにくいものです。

トリミングが不十分なためにスキャンデータに残ったメッシュの浮きは、仮想咬合器や3Dプリンティングする際にエラーを引き起こす問題となります。 アーティファクト、オーバーラップや分断されたスキャン、穴、防湿不良や光の反射による表面ノイズも、設計時にエラーを引き起こす要因となり、ソフトウェアの計算エラーにつながる原因となります。

これを解決するためにDental Systemはワークフローに上顎と下顎のスキャンリファイン(調整)のステップを追加しました。 ソフトウェアが設計を開始する前にスキャンデータに含まれる問題を分析し、表示します。 だいたいの場合、クリックするだけでソフトウェアがこれらの問題を修復してくれます。

整理整頓が大切

さらに、別の登録関連のエラーとして、たとえばライブラリに登録されたインプラントシステムのデータにジオメトリの問題がある場合、これもエラーの原因となります。 3Shape Dental Systemに取り込まれるすべての材料、インプラントライブラリ、.DMEファイルには余分なファイルが含まれていることがあります。 材料やインプラントライブラリなどのファイルが多すぎると、ソフトウェアのパフォーマンスが低下します。 取り込むファイルが多ければ多いほど、デンタルマネージャー、オーダーフォーム、コントロールパネルなど、Dental Systemの主要部の読み込みや、設計された症例の保存に時間がかかります。 そのため、3Shapeは技工所にライブラリーの定期的なバックアップとクリーニングを奨励しています。

また、3Shapeでは、日常業務に関係のないインプラントシステム一式または個々のアバットメントキットを削除することも推奨しています。

3Shape・アカデミーのチームが、ソフトウェアとストレージのクリーンアップ方法に関する素晴らしいチュートリアルを掲載しました。

デンタルデザインのキャッシュ

インプラントブリッジワークフローとデンタルシステム全般におけるもう一つの重要な変化は、ワークフローの柔軟性です。 ソフトウェアが作業をキャッシュするようになったので、何かを変更する必要があっても、最初からやり直す必要がなくなりました。

Dental Systemのワークフローの多くはガイド付きです。 そのため、ソフトウェアが現在のユーザー操作を把握して、正しいステップにガイドする必要があります。 しかし、設計の途中で、アーチ内に十分なスペースがないことに気づいて小臼歯を取り除きたい場合、旧バージョンのDental Systemでは、最初からやり直さなければなりませんでした。 もうその必要はありません。 スピードアップのために機能が改善されました。

最新バージョンのデDental Systemでは、各ステップをキャッシュし、迅速に再計算できるようにしています。 これが現時点でのデフォルトとなっています。

最新バージョンへのアップデートが重要な理由

Rafael Galiakberow:はこう締めくくります: 「3Shape Dental System、特にインプラントブリッジのワークフローとその安定性が向上したことに期待しています。 技工士のみなさまには、最新バージョンにアップデートするか、イベント会場でデモを受けることをお勧めします。

最新バージョンの評判は非常に良く、その成功の多くは、開発中に技工士から得たフィードバックのおかげです。"

Dental Systemは、関係当局に登録された医療機器であり、データ送信方法はHIPAAに準拠しています。

Dental Systemの最新バージョンの詳細をご覧ください。

Andrew Singerについて

Andrew Singer

歯科ライター

3Shape

Andrew Singerは医療技術に関する執筆を専門とするジャーナリストです。 2014年から、歯科の分野で、高度なデジタルテクノロジーを理解しやすい内容で紹介する仕事をしています。

3Shapeでは歯科分野でのデジタル化に関する事例や情報を、これからデジタル化にチャレンジされる歯科医療従事者のみなさまへお届けしています。

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